会計を語る上で外せない企業会計原則について今回は解説していきたいと思います。
企業会計原則とは
まずは企業会計原則の性格とはどのようなものかというのを確認しましょう。
企業会計原則は、企業会計の実務の中に慣習として発達したもののなかから、一般に公正妥当と認められたところを要約したものであって、必ずしも法令によって強制されないでも、すべての企業がその会計を処理するにあたって従わなければならない基準である、とされています。
企業会計原則は実務を重視して作られたルールということです。
次に企業会計原則の目的ですが、以下のようなものとされています。
企業会計原則の目指すところは、利害関係者(特に投資家)の利益を保護することにある。企業会計原則は、投資家が最も強く関心を持つ、企業の収益力の指標としての適正な期間損益の計算とその報告を中心課題として様々なルールを設けている。
企業会計原則はこのように実際に企業に投資を行っている投資家に収益力を認識できるようにすることが主目的です。
一般原則とは
次に、企業会計原則の中でも一般原則をみていきましょう。企業会計原則の中で、一般原則は以下のような位置づけとなっています。
企業会計原則において、一般原則は、損益計算書原則と、貸借対照表原則の上位原則であり、最上位に位置づけられる原則
企業会計原則にはまず一般原則があり、その下にそれぞれ損益計算書原則や貸借対照表原則が連なる形ということです。
次に、7つの一般原則の名称をみていきましょう。
- 真実性の原則
- 正規の簿記の原則
- 資本取引・損益取引区別の原則
- 明瞭性の原則
- 継続性の原則
- 保守主義の原則
- 単一性の原則
真実性の原則とは
7つある一般原則のうち、最も重要な真実性の原則をみてみましょう。
真実性の原則は以下のようなものだとされています。
真実性の原則は、他の諸原則を遵守することで、真実な財務諸表を作成することを要請している。
真実性の原則は、真実な財務諸表を作成することを目的として、他の2~7の一般原則を遵守することを求めているものとなります。
それでは、真実性の原則にいうところの「真実」とはどのような意味をいうのでしょうか。
真実性の原則が要請する真実は、相対的真実である。相対的真実とは、企業会計原則に準拠すること、すなわち「適正性」を意味する。
企業会計における「真実」は唯一無二の真実ではなく、複数の会計の処理方法の中からの選択が認められており、また時代背景や会計の目的観に応じて変化したりすると考えられています。
相対的真実とは
最後に相対的事実についてみていきましょう。
企業会計原則の一般原則である真実性の原則における「真実」とは、相対的真実であるといわれます。その理由は2つあります。
①財務諸表は、記録された事実と会計上の慣習と個人的判断との総合的表現であるという本質を持っているため
②真実な報告は、会計目的に応じて異なる意味内容を持つため
上記のような理由があり、絶対的な真実というものは存在せず、あくまでの記録された事実をどのように表現するのかというのは会計上の慣習や個人的判断が介在するため、相対的な事実だと言える訳です。
いかがでしたでしょうか。一般会計原則と、その中でも最も重要な真実性の原則について解説していきました。ぜひ会計業務に係る方は知っておきたい事項になりますのでお時間のある時にもっと調べてみれると良いですね。