- Fundsの商品の特徴
- Fundsの貸付先の選定基準
- Fundsの運営会社のクラウドポート社とは
- クラウドポート社のコンプライアンス体制
- Fundsの組成方法の特徴・SPCを使った倒産隔離スキーム
- Fundsの将来性
1.Fundsの商品の特徴
Fundsは利息でコツコツと資産運用出来る案件を提供する貸付型のクラウドファンディングの商品を提供するプラットフォームを目指しているサービスです。
所謂ソーシャルレンディングのサービスになります。予定利回りは1.5%~6%を目線として提示しており、ソーシャルレンディングのサービスとしては決して高い目線ではないですが、一方で貸付先の選定にはかなり拘っています。
2.Fundsの貸付先の選定基準
Fundsを通じて貸付を行う相手先については非常に拘っています。上場企業やベンチャーキャピタルから出資を受けているベンチャー企業ということで、一般的なソーシャルレンディングのサービスの行っている貸付先と比較して相当信用度が高い相手先となっており、貸倒のリスクは相当軽減されています。
特に最近は上場企業を中心として案件を組成しており、貸付や投資の安全性を相当意識しています。
また、何よりも貸付先が匿名化されていないことも非常に大きいです。全ての案件について、貸付先や資金使途が明示されています。貸付先を開示出来るのは案件に対する自信があるともいえ、実際に貸倒案件も起こしていないため、案件組成能力がとても高く、リスクが低いというメリットがあります。
募集案件の確認はこちらから3.Fundsの運営会社のクラウドポート社とは
Fundsの運営会社を率いる藤田雄一郎社長は、 サイバーエージェントに勤めた後、マーケティング会社を設立して上場企業の売却した過去があります。また、 柴田陽取締役は、マッキンゼー・アンド・カンパニー出身でいくつものヒットアプリを手掛けて会社を売却するなど、ベンチャー会社の経営経験も豊富です。
第二種金融商品取引業登録を取ってFundsのサービスを提供する前まではクラウドポートニュースなどのクラウドファンディングやソーシャルレンディングに関するニュースメディアや、ソーシャルレンディングの他社の商品比較メディアを手掛けていたこともあり、WEBやアプリといったメディア領域に精通した経営メンバーが多い印象です。
ネットを使ってファンドの商品を募集し、出資手続きも小口で行えるクラウドファンディングやソーシャルレンディングの特徴を考えると、金融領域に限らず、ネット業界に精通した人達が率いる会社というのは大きな特徴としてあると思います。
他社だとソーシャルレンディング系のサービスは、運営会社は概ね金融商品取引業者である証券会社出身の人間が率いている場合が殆どだからです(代表者が金融商品業に精通していないと金融商品取引業者の登録を与えないという金融庁のガイドラインの影響が実は大きいのですが…)。
4.クラウドポート社のコンプライアンス体制
Fundsを運営しているクラウドポート社では、証券会社や銀行を中心とした金融業界出身であったり、弁護士や会計士といったガバナンス系の専門家も多く、監査役の設置や内部監査機能の充実といった観点でも高い魅力を有しているといえます。多くのクラウドファンディングを実施している事業者では登録業の維持のために最低限の人的要件を整えてといった程度の取り組みが多いとも感じざるを得ない中では並外れたコンプライアンス体制といえるでしょう。
近年の特にソーシャルレンディング事業者で問題となっていた巨額の貸倒案件や、集めた資金の不正利用なども、きちんとした貸付先の会社や事業に対する審査体制や、資金の利用状況のチェック体制が機能していたらここまで大きな問題にはならなかった筈です。
その意味ではFundsは近年のソーシャルレンディング事業者で、社会的に求められている、コンプライアンス体制であったり、金融商品取引業への精通といった特徴を備えた事業者の一つといえるかと思います。
クラウドポート社の組織体制については下記のリンクもご参照下さい。
https://funds.jp/about
5.Fundsの組成方法の特徴・SPCを使った倒産隔離スキーム
Fundsの提供している商品の特徴を執筆時点(2019年8月3日)で最新の募集案件である”リースバック事業「あんばい」ファンド#2″を例に解説していきましょう。
このファンドは株式会社インテリックスに対する貸付がファンドの資金運用方法となります。インテリックスは中古マンションのリノベーション事業を中心に全国展開を進めている東証一部上場企業です。
予定運用期間は11カ月で、予定利回りは3.0%です。貸付先が東証一部上場企業であることを考えると妥当な水準だと思います。配当も四半期毎に行われ、既に募集は終わってますが申し込み状況は盛況でした。
商品のスキームを見ていきましょう。商品紹介ページのキャプチャからも分かる通り、Fundsの商品ではファンド組成企業を間に挟みます。
ファンド組成企業であるIntellex Fundingとはどのような会社なのでしょうか。
重要事項説明書類を見ると下記のようになっています。
- 商号: 株式会社Intellex Funding
- 本社所在地: 東京都渋谷区渋谷二丁目12番19号
- 代表者: 小川新悟
- 設立年月日: 2019年5月8日
- 主な事業: 匿名組合等の企画、組成、運用等
- 資本金: 900万円
正に貸付のファンドを管理するためのSPC(特別目的会社)となっています。
代表者となっている小川新悟氏はインテリックス社の人間で、Fundsのファンドを通じて資金調達を行うには、資金需要会社がまずSPCを作る必要があるのが分かります。金額がそこまで大きくない借入のためにSPCを設立して管理するのはかなり管理工数的には重たいというデメリットが借入先にはありますが、一方でそのお蔭で、SPCを通じて貸付を資金需要者であるインテリックス社に対して行うため、倒産隔離や、厳密な分別管理が行われるというメリットがあります。
この辺りの手間を惜しまないスキームを取っていることでリスクを低減出来ているのも大きなメリットです。
6.Fundsの将来性
Fundsは、資金需要先を殆どの案件で東証の上場企業に絞っています。それに加えてSPCを設立してもらってSPCを通じて貸付を行うことで倒産隔離や分別管理も徹底させています。コンプライアンスの体制についてはこのぐらいの20名程度の会社規模からいえば十分すぎるぐらい充実しています。
また、資金貸付先を全て開示していることからも、貸付先へのガバナンスの効果や、リスク評価を出資する投資家がしやすいというメリットに加えて、貸付先を応援したいという需要にも応えられます。
過去にmaneoがソーシャルレンディングのマーケットのような事業を築いたのを更に出資先の選別とコンプライアンスを徹底させたサービスといったイメージです。
元々借入などに余り苦労しない上場企業向けに商品をほぼ限定しており、リスクマネーを提供するという役割を担っていくのは難しいかも知れませんが、一方で投資家目線で考えると最も進んだソーシャルレンディングサービスだと思います。
利回りの高さよりは、3%や4%ぐらいでコツコツと運用したい場合は非常に魅力的なサービスです。
今後、貸付先が広がっていけば、ますます貸付先を選べるクラウドファンディングのマーケットとしての強みが出てくるので将来性も非常に大きいです。
実際に出資する・しないというのはありますが、投資したいと思った案件が出ても、事前に投資家登録をしていないと出資の申し込みは出来ず、投資家登録の手続きには結構時間がかかるので、少しでも興味があれば一先ず投資家登録をしておくことをおススメします。
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