収益認識会計基準②

今回は前回解説して収益認識会計基準ででてきた5つのステップについて解説していきたいと思います。

(1)契約の識別

収益認識会計基準では(1)~(5)のステップを適用するとして、その中で最初のステップとして、「顧客との契約を識別する」というのが定められています。

その契約の識別にあたっては、以下のように収益認識会計基準に定められています。

(1)契約の識別

19. 本会計基準を適用するにあたっては、次の(1)から(5)の要件のすべてを満たす顧客との契約を識別する。

  1. 当事者が、書面、口頭、取引慣行等により契約を承認し、それぞれの義務の履行を約束していること
  2. 移転される財又はサービスに関する各当事者の権利を識別できること
  3. 移転される財又はサービスの支払条件を識別できること
  4. 契約に経済的実質があること(キャッシュ・フローの変動が起こりうること)
  5. 顧客に移転する財又はサービスと交換に企業が権利を得ることとなる対価を回収する可能性が高いこと(相手の支払能力に問題がないこと)

履行義務の識別

次に2つ目のステップにあたる履行義務の識別についてみていきましょう。

32.契約における取引開始非に、顧客との契約において約束した財又はサービスを評価し、次の(1)又は(2)のいずれかを顧客に移転する約束のそれぞれについて履行義務として識別する。

  1. 別途の財又はサービス(あるいは別途の財又はサービスの束、イメージとしてはパソコンの販売とそのパソコンの保守サービスなど)
  2. 一連の別途の財又はサービス(イメージとしては毎日行うビルの清掃業務など)

取引価格の算定

次に3つ目のステップにあたる取引価格の算定です。取引価格の定義は第47項で以下のようなものとされています。

47.取引価格とは、財又はサービスの顧客への移転と交換に企業が権利を得ると見込む対価の額(ただし、第三者のために回収する額を除く。)をいう

次に第50項と第51項では、変動対価についてと、変動対価の見積りについて定められています。

50.顧客と約束した対価のうち変動する可能性のある部分(将来の値引きやリベートの支払い)を「変動対価」という。契約において、顧客と約束した対価に変動価格が含まれる場合、財又はサービスの顧客への移転と交換に企業が権利を得ることとなる対価の額を見積る

51.変動価格の額の見積りにあたっては、発生し得ると考えられる対価の額における最も可能性の高い単一の対価(最頻値)による方法又は発生し得ると考えられる対価の額を確率で加重平均した金額(期待値)による方法のいずれかのうち、企業が権利を得る対価の額をより適切に予測できる方法を用いる。

59.契約における対価が現金以外の場合に取引価格を算定するにあたっては、当該対価を時価により算定する。

履行義務への取引価格の配分

次に、4つ目のステップとなる履行義務の取引価格の配分について第65項に以下のように定められております。

65.それぞれの履行義務(あるいは別途の財又はサービス)に対する取引価格の配分は、財又はサービスの顧客への移転と交換に企業が権利を得ると見込む対価の額を描写するように行う。

(独立販売価格に基づく配分)

68.第66項に従って財又はサービスの独立販売価格の比率に基づき取引価格を配分する際には、契約におけるそれぞれの履行義務の基礎となる別途の財又はサービスについて、契約における取引開始日独立販売価格を算定し、取引価格を当該独立販売価格の比率に基づき配分する。

(値引きの配分)

70.契約における約束した財又はサービスの独立販売価格の合計額が当該契約の取引価格を超える場合には、契約における財又はサービスの束について顧客に値引きを行っているものとして、当該値引きについて、契約におけるすべての履行義務に対して比例的に配分する。

今回のステップ2~4はかなり実務に近い話なので具体的なルールとして頭に入れておくようにしましょう。