薬王堂ホールディングスのIPO・新規上場に関する情報

本日、薬王堂ホールディングス(薬王堂HD)の新規上場が承認されました

下記が東証上場部の出している新規上場会社概要です。

https://www.jpx.co.jp/listing/stocks/new/nlsgeu0000045srt-att/09YAKUODOHOLDINGS-Outline.pdf

上場は東証第一部で、上場予定日は9月2日となっています。

1.薬王堂HDの特徴

岩手県に本社のあるドラッグストアを経営している企業で、今回の上場承認についてですが、上場する薬王堂ホールディングは現在、存在しておらず、持株会社として9月2日に設立される予定で、同日に新規設立された持株会社である薬王堂ホールディングスが上場する形になります。現在上場している薬王堂株式会社は上場廃止となり、薬王堂ホールディングスのグループ会社・100%子会社となります。

上場日に新たに持株会社を設立して上場させる意図としては、グループ経営戦略を遂行するために、薬王堂ホールディングスにグループ経営機能をもたせ、一方で各事業会社(子会社)には事業の権限を移譲するとしています。

事業の主な内容としては東北を中心としたドラッグストアの経営で、中期目標としては300店舗を目標としているとのことです。

2. 業績

薬王堂HDは上場日となる9月2日まで存在しない会社なので、過去実績はありませんが、新たに薬王堂HDに取り込まれる連結会社は単体の損益の実績の開示されている薬王堂株式会社の他には資本金3百万円のMedica株式会社のみということなので、基本的には薬王堂株式会社の損益計算書と大きく変わらないものという理解で良いのかと思います。元々Medica株式会社も連結子会社ですし。

さて、直近の2019年2月期は918億円の売上高に対して経常利益が42億円となっており、非常に業績が良さそうです。営業キャッシュ・フローから投資キャッシュ・フローを差し引いたフリーキャッシュ・フローもマイナス10億円程度なので新規出店を続けているのを勘案しても資金的にも比較的堅調に投資を続けていけるものと思われます。

過去5年間の薬王堂株式会社の単体の損益状況を見てみても、常に20億~40億円の経常利益を出しつつ、売上も常に10~20%成長し続けています。上場申請期が第39期であっても、堅調な成長は見込めるように思えます(なお、薬王堂HDとしては当然第1期になります)。

今回は薬王堂株式会社と薬王堂HDの株式交換比率は1:1ということで、純粋にホールディングス体制に移行することが目的と思われますので、株価への影響等は限定的かと思います。