- クラウドバンク(日本クラウド証券)とは
- 2015年の行政指導(顧客預かり残高の適正な把握・報告)について
- 2017年の行政指導(事実に相違する広告)について
- 2回の行政処分を踏まえてクラウドバンクへの投資のリスクは
1.クラウドバンク(日本クラウド証券)とは
クラウドバンクを運営している日本クラウド証券株式会社は、2019年8月現在、累計応募金額が600億円超のクラウドファンディングやソーシャルレンディング業界の中ではかなりの大手かつ老舗企業です。
現在の太陽光や海外不動産、中小企業支援型のファンドを中心に積極的に募集をしており、運用期間が半年から1年で予定利回りも7%前後となっており、投資商品として魅力的な商品が継続的に募集されています。
一方でクラウドバンク(日本クラウド証券)は2015年と2017年に2回行政指導を受けており、人によってはその背景を以て、クラウドバンクへの投資に対してリスクを感じる人もいるかも知れません。
この記事では2015年と2017年の行政指導の内容について記載し、投資しても安全かどうかの判断の一助になればと思います。
2.2015年の行政指導(顧客預かり残高の適正な把握・報告)について
2015年の行政指導の概要を解説します。なお、実際に関東財務局が金融庁に対して行政指導を行うように勧告した際の原文書は下記になります。
https://www.fsa.go.jp/sesc/news/c_2015/2015/20150626-3.htm
2015年の行政指導は、顧客預かり金の残高を適切に把握出来ておらず、報告が遅延したり、誤った預かり残高の通知を顧客に対して通知していた事例に対する行政処分となっております。
顧客預かり残高の把握がこのように杜撰になってしまった原因として勧告文書で指摘されているのは顧客からの預かり金を適切に把握するための社内規程や社内システムの十分な整備が行われていなかったというもので、正に内部統制上の問題となっております。
3.2017年の行政指導(事実に相違する広告)について
一般的に2年に1回の金融庁検査の中で、2年後の2017年においては著しく事実に相違する広告について行政処分が行われております。
具体的には募集した商品について商品リスクが実態よりも低く受け取れる記載を行っていたものがあった他、営業者報酬(クラウドバンクの受け取る手数料)を還元するというキャンペーンを打っていたもののそういった実態がなかったということで処分勧告となっております。
4. 2回の行政処分を踏まえてクラウドバンクへの投資のリスクは
クラウドバンクでの過去2回の行政処分は内部統制の問題や、募集・広告の記載の問題となっております。
顧客(投資家)の資金を預かる業者としては大きな問題ではありますが、顧客預かり金の適正なシステム管理や、募集している商品について適切な記載をして募集すること、キャンペーンの内容について事前に正しく認識を合わせて記載出来ていないなどの管理上の問題によるもので、少なくとも他事業者で大きく問題になっている不正な資金使途での利用や、貸付先の審査などが適正に行われていなかった場合に比べれば相対的には軽微なものです。
クラウドバンク自体は募集している商品の種類も多く、また利回りも高めに設定されていたりとメリットも多く、また良い評判も出ているプラットフォームですし、当時とは経営陣が変わっていたりもするのでそういった背景も踏まえた上で、個別の募集案件の詳細を良く読んで、是非投資していってもらいたいと思います。
クラウドバンクについては是非こちらもご確認下さい