税務署長が差押財産を公売に付しても入札者がない場合等の対応

税務署長が国税の滞納に従って滞納者の財産を差し押さえて公売に付しても入札者がいないときがあります。その場合の時の対応をみていきましょう。

1.税務署長が行うべき措置

税務署長は公売に際して入札者等がないとき、あるいは入札等の価額が見積価額に達しないときは再度入札または再公売、あるいは差押財産を随意契約により売却することができる。

2.再度入札

税務署長は、入札の方法により差押財産を公売する場合において、入札者等がないとき、又は入札等の価額が見積価額に達しないときは、直ちに公売を終結させずに引続き入札を行うことができる。この再度入札は再公売に伴う経済的、時間的な消耗を避けるために、一定の制限のもとに入札を終了させることなく再び入札を行うことを趣旨としたものである。再度入札にあたっては改めて公売公告をする必要はなく見積価額も変更することはできない。

3.再公売

税務署長は公売に付しても入札者等がないとき、入札者等の価額が見積価額に達しないとき、再公売に付すものとする。

また一方でこの再公売は買受人が買受代金納付不履行などにより売却決定が取り消された場合の公売手続きを規定したものでもある。

再公売を行う場合に必要があると認めるときは、公売財産の見積価額の変更、公売公告期間の短縮、公売保証金の額等について直前の公売の条件を変更することができる。

4.随意契約による売却

随意契約による差押財産の売却は、公売に際して入札者等がないとき、あるいは入札等の価額が見積価額に達しないときに、財務所長は差押財産を公売に代えて随意契約により売却することができる。

この随意契約により売却を行う場合において、その見積価額は直前の公売における見積価額を下回ってはならない。なお売却する財産が動産であるときは、あらかじめ広公告した価額により売却することができる。

随意契約に関する要件を見る際には国税庁のサイトも見ておきましょう。

https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/chosyu/05/03/03/109/01.htm