貸金業法とは-行政書士がその目的と定義を解説-

貸金業法の目的

貸金業法は、1983年に施行された法律で、その施行背景としては、「貸金業が我が国の経済社会において果たす役割にかんがみ、貸金業を営む者について登録制度を実施し、その事業に対し必要な規制を行うとともに、貸金業者の組織する団体を認可する制度を設け、その適正な活動を促進することにより、貸金業を営む者の業務の適正な運営を確保し、もつて資金需要者等の利益の保護を図るとともに、国民経済の適切な運営に資することを目的とする」とされています。

資金需要者等の利益の保護のために、登録制とし、登録された事業者の適正な運営を確保することを目指しています。

貸金業法の定義

まず、事業者が貸金業登録を受けるか検討する上で、重要となるのが、その行いたい行為が貸金業法の規制の対象となるかどうかです。そもそも貸金業法の対象となる「貸付け」の定義とは以下の4つのものを指すとされています。

① 金銭の貸付け

② 金銭の貸借の媒介

③ 手形の割引、売渡担保その他これらに類する方法によってする金銭の交付

④ ③の方法によってする金銭の授受の媒介

①の金銭の貸付けは、勿論のこと、②の金銭の貸借の取引を媒介する行為や、③の手形の割引・売渡担保、④の手形の割引等の媒介は、貸付け行為とみなされます。

また、「貸付け」は、貸付けを業として行うものをいうため、①~④の行為を反復継続して行う意思を有して、一回の取引を行う場合でも「貸付け」に該当します。

貸金業者の定義

「貸付け」で定められている行為を業として行い、かつ貸金業の登録を受けたものを貸金業者という訳ですが、「貸付け」を行っていても、以下の主体が行っている場合は、「貸金業」からは除かれます。

  1. 国または地方公共団体が行うもの
  2. 貸付けを業として行うものにつき他の法律に特別の規程のある者(銀行等)が行うもの
  3. 物品の売買、運送、保管または売買の媒介を業とするものがその取引に付随して行うもの
  4. 事業者がその従業員に対して行うもの
  5. 国家公務員・地方公務員の職員団体が公正員に対して行うもの
  6. 労働組合が構成員(組合員)に対しておこなうもの
  7. 公益社団法人、公益財団法人、私立学校法その他特別の法律に基づき設立された法人が行うもの(公益社団法人等が行うものでも、収益を目的とする事業として行うものは貸金業から除かれません)
  8. 主としてコール資金の貸付けまたはその貸借の媒介を業として行うもので金融庁長官の指定するもの

如何でしたでしょうか。

貸金業を取る場合は勿論のこと、貸金業法に引っ掛からないかを確認する際にも参考にして下さい。