不動産特定共同事業法とは-不動産クラウドファンディング-

不動産クラウドファンディングを行うにあたっては、不動産特定共同事業法に基づいて許可・登録を得た事業者である必要があります。

不動産クラウドファンディング事業者は2020年になっても大きく増えていっていますが、そもそも不動産特定共同事業法とは何なのか、その制定された時代背景・歴史も踏まえてみていきたいと思います。

1.不動産特定共同事業法とは

不動産特定共同事業法は、1994年に出され、1995年4月1日から施行されました。

不動産特定共同事業法(e-GOV)

1-1.歴史的背景

当時の背景としては、まず一つにバブル景気後の景気停滞期であり、不動産価格はバブル景気の時が高かった影響もありますが、大きく下がっていました。

また、同時に不動産特定共同事業法の施行前は、財務的にも脆弱な不動産会社も積極的に不動産小口投資商品を販売し、倒産して投資家に大きな損害を与えるといったことが問題にもなっていました。

1-2.目的

その中で、不動産特定共同事業法では、事業形態ごとに資本金要件を定め、かつ監査法人からの監査を義務付け、財務面での信頼性の高い業者にのみ、不動産小口投資商品の組成・販売を行えるようにしました。それと同時に、適切な事業者によって不動産小口投資(小口保有)を推進することで、これまでは高額で手が出せなかった不動産投資の間口を広げ、不動産取引の活発化と不動産価格の上昇を図って制定されたというのが背景としてあります。

1-3.事業者の財務要件・人的要件

不動産特定共同事業法では、4つの形態があり、それぞれの要件は以下のようになっています(小規模不動産特定共同事業者という枠組みもありますが今回は割愛します)。

国土交通省資料より(https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001311695.pdf)

1-3-1.財務要件

不動産特定共同事業者はそれぞれ資本金額が表の金額以上である必要があります。これは一定程度の資本金(≒純資産)を要件に定めることで、不動産を実際に運用したり、ファンドの組成・販売を行う不動産特定共同事業者が倒産などして投資家に被害が及ぶことを防ぐ目的があります。

事業者資本金額
第一号事業者1億円
第二号事業者1,000万円
第三号事業者5,000万円
第四号事業者1,000万円

その他、損益状況が良好なことなども許可申請上重要となります。

1-3-2.人的要件

不動産特定共同事業者は宅建業者である必要があるので、そのために必要な宅地建物取引士が在籍していることと、不動産特定共同事業に係る業務を行う事務所では業務管理者と呼ばれる不動産コンサルティングマスターや不動産証券化マスター等の資格を有する者を設置する必要があります。

2.2017年の電子取引解禁

不動産投資型クラウドファンディングが始まるきっかけとなったのが2017年の法改正です。

従来は不動産特定共同事業法に基づく契約は対面・紙ベースで行う必要がありましたが、電子取引業務が新たに認められたことにより、インターネットで申し込みから契約手続きの完了する不動産投資型クラウドファンディングが出来るようになりました。

これにより、2018年以降、2020年に至る現在まで多くの業者が不動産の小口投資商品をオンライン完結で購入できるサービスを不動産特定共同事業者の資格を得て提供しています。

また、一方で従来の枠組みでの不動産特定共同事業者となるには資本金の要件金額が大きく、監査法人から監査を受ける必要があるなど、少額での小口投資を募るにしては要件が厳しすぎるといった側面もあり、小規模不動産特定共同事業者という制度も設けられました。自らが事業者として投資を募って不動産を運用する第一号事業者となる場合も、出資を募れる総額や投資家一人あたりの出資可能額の制限はあるものの、事業者の資本金は従来の1億円ではなく、1,000万円で十分となっています。

不動産特定共同事業法の解説はこの記事以外にも行っていっておりますのでより深く学びたい方は見ていって下さい。