【CAMPFIRE Ownersプロダクトマネージャーインタビュー】

寄付型や購入型のクラウドファンディングで業界全体をリードしてきた株式会社CAMPFIRE(以下、CAMPFIRE社)。

同社のグループ会社となる株式会社CAMPFIRE SOCIAL CAPITAL(以下、CSC社)は2019年9月に新たに融資型クラウドファンディングサービスとなる、「CAMPFIRE Owners」のサービスをローンチし、10月には初号案件としてリリースした4ファンド全てで応募金額が満額に達しました。

今回は、CSC社でCAMPFIRE Ownersのプロダクトマネージャーを務める久津佑介様に、サービスを始めた経緯や事業の展望についてインタビューさせて頂きました。

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CAMPFIREの目指す「資金調達が民主化された世界」

-まずはCAMPFIRE社の事業について教えて下さい。

CAMPFIRE社では、資金集めを民主化することをMissionとして掲げて、金融サービスを手掛けてきました。

購入型のクラウドファンディングサービスである「CAMPFIRE」を中心に、10を超えるサービスを展開しています。

-CAMPFIRE社がこれだけの事業を手掛けてきた経緯を教えて下さい。

CAMPFIRE社は2011年に代表取締役の家入が創業しました。2016年には家入が再び代表として戻ってきたのですが、そこからより多くの人に利用してもらえるサービスとなるよう注力してきました。手数料を従来の募集額の20%から5%に引き下げたり、業界全体として資金が集まりやすい傾向にある、企業や著名人が手掛けるプロジェクトが中心となっていたなか、公序良俗に反さない限り全てのプロジェクトを掲載できるよう審査基準を緩和し、プロジェクトを始めたい人へのスタッフのサポートを強化することで、誰でもクラウドファンディングで資金を集められるサービスとしていくための取り組みを進め、プロジェクトの数を増やしていきました。

その取り組みと並行して、CAMPFIRE Communityという継続課金型のサービスをリリースしました。これを始めたのは、クラウドファンディングの場合、どうしても一回きりの打ち上げ花火のような形となってしまうため、継続的にサービスを利用してもらえるようにしたいという背景からです。

2017年以降はもっと手軽に身近な友人や知人からアプリを通じて資金を集めることの出来る「polca」の開始や、事業譲受や資本・業務提携によるサービスの拡大も進め、その中で地域×クラウドファンディングをテーマにした「FAAVO」や、共同財布サービス「Gojo」なども手掛けています。

そして、先月の2019年9月に、融資型クラウドファンディングサービス「CAMPFIRE Owners」をローンチしました。

-これまで購入型や寄付型のクラウドファンディングサービスを手掛けてきた中で、融資型クラウドファンディングを始めた理由を教えて下さい。

購入型や寄付型を始めたのと大きな目標や方向性は同じで、小さな経済圏を作っていく中でその選択肢を増やしていきたかったのが理由です。

一般的に、融資を受けたくても、既存の金融機関では規模が小さかったり担保が無かったりすると、中々融資を受けられない傾向にあります。CAMPFIRE Ownersでは金銭的な利回りというリターンだけではなく、プロジェクトを応援するという目的が加わることによって融資を受け、資金需要者がプロジェクトに挑戦していけることを目指しています。

これまで主に手がけてきた購入型がリターンとして返礼品を用意していたことに対し、融資型では、資金需要者が集まったお金を基に事業を行い、支援者に利回りで還元することを目指しています。CAMPFIRE社では、世界中の誰しもが資金調達の機会を得られる世界を目指し、様々な資金調達の手段を提供すべく、融資型のクラウドファンディングをかなり前から準備を進めていました。そして、この度、CSC社が第二種金融商品取引業者としてファンドの取扱いを開始するに至りました。

資金需要者主体の融資型クラウドファンディング

-他の融資型クラウドファンディングとの違いや強みを教えて下さい。

CAMPFIRE Ownersの特徴は、ファンドの組成が資金需要者起因で行われることです。CAMPFIRE社の、お金が必要な人がお金を集められるようにする、というMISSIONに沿う形で、まずは資金需要者が始めたいプロジェクトを考え、そのための事業計画を作り、CAMPFIRE社およびCSC社で審査を実施し、ファンドの組成・募集の可否が決定されます。一般的な融資型クラウドファンディングでは利回りなどの目標に沿って、事業者が基本的にはファンドの内容を企画して組成します。

CAMPFIRE Ownersでは、勿論、資金需要者からの返済を基としたリターンも大事ですが、資金需要者にフォーカスして実現したいプロジェクトの内容を開示することで、ファンドへの投資を通じて資金需要者を”応援”したいという投資家の気持ちに応えることも重視しているのが特徴です。

CAMPFIRE Ownersサービスページより(https://owners.camp-fire.jp/)

-貸付先・案件に対する審査対応はどのようになっていますでしょうか。

案件が持ち込まれる形でファンドを組成する流れであっても、リスクを適切に審査し、投資家に説明することを非常に重要だと考えています。

CAMPFIRE社での審査は勿論のこと、CSC社では外部の専門家を含めた審査委員会を設置し、全ての案件で審査委員会による事前審査を実施しております。

-案件の持ち込みから募集開始まではどの程度の期間を見込んでいますでしょうか。

外部の専門家を含めた審査委員会との調整なども必要な中で、現在は1ヶ月程度かかっておりますが、財務諸表などの資料をシステム上でアップロード出来るようにするなど、テクノロジーの活用も進めつつ、3週間での募集開始を最終的には目指したいです。

-貸付先・案件の情報開示の方針はどうなっていますでしょうか。

開示の方針は、今年から一定の条件のもとで融資型クラウドファンディングにおける貸付先の匿名化が解除されているので、会社名、代表者、財務ハイライト、事業計画などのほか、資金使途や融資期間などの貸付条件も開示しています。

-案件組成後の貸付先への継続的な審査体制はどうなっていますでしょうか。

返済の方法にもよりますが、原則として毎月貸付先の状況をチェックすることとなっています。組成案件が増えても盤石の体制でモニタリング出来るよう、社内的な組織作りや業務の仕組み作りを強化していきたいです。

今後の案件組成の見通し

-今後、募集される案件の利回りや運用期間について、一概には言いにくい所あるかと思いますが、見通しを教えて下さい。

運用期間は資金需要者が起点となっているため、実現したいプロジェクトに応じて適切な期間があると考えており、投資家の皆様に対する利回りも、ある程度柔軟に対応したいと考えています。

一般的に、利回りが低いと応募が集まりにくいというのはありますが、資金需要者を応援するという世界をベースに考えているので、金銭的なリターンを追求するだけではなく、ファンドへの投資を通じて資金需要者のプロジェクトを応援したい、という雰囲気を大事にしていきたいです。

-今後、募集される案件の資金需要者や利用使途としてはどのようなものを想定していますでしょうか。

現時点で資金需要者に制限を設ける予定はありません。企業は勿論のこと、例えば初号ファンドではNPOが資金の募集を行うファンドが組成され、こちらはSNSを始めとして大きな反響がありました。

今後は国内に限らず、資金需要の大きい海外の案件も増やしていきたいです。

そのほかにも、想像もつかないような案件が出てくるとそれはそれで面白いと考えています。借り手の方のチャレンジを応援するというのが目的なので、誰が何に挑戦するファンドか、ということは大事にしつつ、面白い案件があれば検討していきたいと考えています。

今後の注力領域について

-今後、CAMPFIRE Ownersで注力していきたいところについて教えて下さい。

それはたくさんあります。

まず、CAMPFIRE Ownersでは、資金需要者の方のチャレンジを応援してもらうというコンセプトが第一にあります。その資金需要者の方の想いを如何に伝えるかというのが課題です。インタビュー記事の掲載を今回のファンドではやりましたが、そのほかにも資金需要者の想いを伝える仕組み作りをもっと改善していきたいです。

次に投資家サイドの観点では、現在のCAMPFIRE Ownersでは、元々購入型のCAMPFIREのユーザーが多く、投資の経験が浅い傾向にあります。その中で、投資家の皆様にはリスクをきちんと認識してもらえるようにしたいと考えています。どうしても金融商品なので、リスク概要の説明ページなどでは説明の表現が、お固くなってしまいがちですが、それでも投資経験が浅くてもわかりやすいコンテンツに改善していったり、セミナーの開催なども通じて積極的に発信していきたいです。そうして、リスクを理解した上で投資家の皆様が納得して投資出来るサービスにしていきたいと考えています。

他には審査期間の短縮です。審査期間がどうしても長くなってしまっており、審査期間が長引くと資金需要者の負担も大きくなってしまいます。現状は既存の金融機関のような審査になってしまっている所もありますが、今後は審査のクオリティを下げないことことはもちろんですが、融資・ファンドの組成をより短期間で実行出来るようにしていきたいです。

投資家へのメッセージ

-最後に投資家へのメッセージをお願いします。

CAMPFIRE Ownersでは、サービスサイトにも記載しているように、資金需要者に応援の気持ちを届けられるようなサービスにしたいと考えていますので、今後取扱うファンドについても楽しみにして欲しいです。

応援をベースにした融資型クラウドファンディングでは、投資家は、ファンド営業者を通じてお金を資金需要者に貸出すことで、資金需要者のプロジェクトの成功と投資家へのリターンというWIN-WINの関係を作り出すことが可能です。

今後は、応援したくなるようなプロジェクトをたくさん取扱うことができるサービスにしていきたいと思いますので宜しくお願い致します。